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以前、避難所に行かずに自宅で過ごす「在宅避難」の備えを調べたとき、一つ疑問が残りました。「でも、家にいられない状況になったら?」です。

自宅が倒壊の危険がある、火災が迫っている——そうした場合は在宅避難ではなく避難所への移動が必要になります。そのときに持ち出す防災リュックについて、選び方を調べてみました。

最初に正直にお伝えすると、我が家は市販の防災セット(防災リュック)を用意できていません。

ただ、この記事を書くにあたって家の中を探したら、10年以上前に買った非常持出袋が出てきました。「一応あるから大丈夫」と思っていたものです。開けて中身を全部出してみたら、想像していたのとはまったく違いました。

その実物の写真も載せながら、「防災セットって色々あるけど、結局何を基準に選べばいいの?」という疑問に、調べた内容と自宅の現物の両方から答えます。

📋 この記事でわかること

  • 10年以上前の非常持出袋を開けた実物写真と、足りなかったもの
  • 防災リュックを選ぶときの3つの基準
  • 家族の人数別に必要な数・中身の違い
  • ヘルメットは本当に必要か

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結論:防災リュックは「1人1つ」が基本

調べて分かった結論は、防災リュックは家族で1つではなく、1人につき1つが基本という考え方です。

理由はシンプルで、避難時にはぐれる可能性があるからです。1人1つ持っていれば、たとえ家族と離れてしまっても、それぞれが最低限の備えを持った状態で避難所にたどり着けます。

小さなお子さんの場合は大人が代わりに持つ、または軽量版を用意するなど、年齢に応じた調整が必要です。

💡 子どもがいる5人家族(我が家)の場合の考え方:「5人分も持てない」という場合は、大人が『命を守る最優先グッズ+子ども用最小限』を分担して背負い、小学生以上の子どもには自分の防寒着やライトが入った軽めのリュックを持たせるなど、年齢に応じた役割分担をするのが現実的だと考えています。

防災リュックを選ぶときの3つの基準

①重さ:女性・高齢者は5kg前後が目安

防災リュックは重すぎると避難の妨げになります。成人男性でも10kg前後、女性や高齢者は5kg前後を目安に選ぶのが良いとされています。中身を詰め込みすぎず、「背負って歩けるか」を基準に選びましょう。

【実物公開】10年以上前の非常持出袋を開けてみた

ここが、この記事でいちばん具体的に書けるところです。

10年以上前に購入した銀色の非常持出袋の外観

我が家の非常持出袋。防炎素材で作りはしっかりしていますが、10年以上前のものです

袋そのものは問題ありませんでした。防炎製品のマークが付いていて、生地も厚い。壊れてはいません。 問題は中身と、もう一つ別のところにありました。

気づき1:住所も名前も、書いていなかった

袋を裏返して、正直「あっ」と声が出ました。

非常持出袋の背面。住所・氏名・緊急連絡先の記入欄がすべて空白のまま

住所・氏名・緊急連絡先の欄。10年以上、空白のままでした

背面には「住所」「氏名」「緊急連絡先」を書く欄があります。10年以上、全部空白のままでした。

避難所で似た袋が並んだとき、どれが自分の家のものか分かりません。はぐれた家族に子どもが持っていったとき、連絡先が書いていなければ何の役にも立たない。書くのは1分、費用はゼロです。 買い足しの前に、まずここでした。

気づき2:入っていたもの・入っていなかったもの

中身を全部出してみました。

非常持出袋の中身をすべて並べた写真。ブルーシート・簡易トイレ・救急セット・ラジオ・ライトなど

中身の全部。悪くはないのですが、決定的に足りないものがあります

入っていたもの 入っていなかったもの
ブルーシート(1.8×1.8m)
簡易トイレ 2〜3回分 食料
非常用給水袋 モバイルバッテリー
携帯ラジオ 常備薬・お薬手帳のコピー
コンパクトライト×2 現金(小銭)
救急セット(Dr.K) 軍手・ホイッスル
サニタリークリーナー マスク・アルコール

水と食料は家の別の場所に備蓄してあります。 ただ、袋に入っていないということは、避難のときに別の場所へ取りに行く必要があるということです。夜中に揺れて、暗い中を走るときに、その余裕があるかどうか。ここは考え直すことにしました。

そして簡易トイレが2〜3回分しかありませんでした。防災費用の記事で試算したとおり、5人家族が3日過ごすなら75回分が目安です。まったく足りていません。

気づき3:救急セットの中身にも年数が出ていた

非常持出袋に入っていた救急セットDr.Kの中身。絆創膏・ガーゼ・包帯・綿棒・消毒綿・はさみ・ピンセット

救急セットの中身。道具は使えますが、消毒綿や絆創膏は年数が経っています

はさみとピンセットは問題なく使えます。ただ消毒綿・絆創膏・ガーゼのような消耗品は、10年以上経てば粘着力も殺菌効果も落ちます。 ここは入れ替えが必要でした。

まとめると、我が家の現在地はこうでした

📦 開けてみて分かったこと

  • 袋は使える。防炎素材で作りもしっかりしていた
  • 記入欄が10年以上空白だった。1分・0円でできることを放置していた
  • 水と食料が袋の中にない。別の場所にはあるが、持ち出せるかは別の話
  • 簡易トイレが2〜3回分。5人家族3日分の75回にまったく届かない
  • 消耗品が経年劣化。消毒綿・絆創膏・ガーゼは入れ替えが必要

「持っている」と思っていたものが、開けてみたら半分くらいしか機能していなかったという状態でした。全部を一度に買い直すのは大変なので、足りないものから少しずつ買い足していくことにしています。

同じように「一応うちにもある」という方は、今日それを開けてみてください。 買うかどうかを考えるのは、中身を見てからで十分です。

②中身の網羅性:非常用持ち出し袋の基本セット

最低限必要とされるのは、以下のような品目です。

  • 水・非常食(1〜2日分。備蓄用の水食料は別枠で自宅に置くため、リュックは移動用の最小限でOK)
  • 携帯トイレ
  • 懐中電灯・モバイルバッテリー
  • 救急セット・常備薬
  • 現金(小銭を含む。停電時はキャッシュレス決済が使えない)
  • 身分証明書のコピー・保険証のコピー

③ヘルメットの有無

見落とされがちですが、地震による落下物・倒壊物から頭を守るヘルメットは重要な装備です。かさばるのが難点ですが、折りたたみ式や帽子型の簡易ヘルメットなら持ち出し袋に収まりやすくなっています。

調べていて分かったのは、ヘルメットは防災セットに入っていないことが多いということでした。「〇〇点セット」と大きく書かれていても、内訳を見ると入っていない。あとから買い足そうとすると、そこで一手間かかります。

セットを比較するときは、点数の多さよりヘルメットが含まれているかどうかを先に確認したほうが早いと思います。


家族の人数で選ぶ防災リュック

家族の人数によって、必要なリュックの数と中身の組み合わせが変わります。

家族構成 選び方の考え方
1人暮らし 1人用セット(リュック+基本装備)を1つ
夫婦2人 2人用セット、またはヘルメット付きのセットを検討
子どもがいる家庭 大人の人数分+子ども用の軽量セットを追加検討

🎒 まず「人数分あるか」だけ数えてください

我が家が10年以上前に買った非常持出袋は1つだけで、5人家族には全く足りていませんでした。中身を吟味する前に、まず頭数と同じ数のリュックがあるかを数えるのが先です。1人用セットは3,000〜15,000円と価格の幅が広く(2026年8月時点の楽天市場)、中身の点数とヘルメットの有無で大きく変わります。家族の人数分をまとめ買いする形になります。

楽天で「防災リュック 1人用セット」を人数分そろえる

※特定の商品ではなく検索結果へのリンクです。中身の点数・ヘルメットの有無・保存年数は商品ごとに大きく違います。

避難所生活で特に苦労するのが「床の硬さ・冷気による睡眠環境の悪化」と「移動中の落下物・倒壊物からの頭部保護」だと調べていて感じました。

福島県で被災した防災士が立ち上げたブランド「ひかりBOSAI」は、東日本大震災の被災経験から生まれた背景を持ち、1人用・2人用・3人用と家族構成別のセットを展開しています。避難所での睡眠環境を確保する寝袋(シュラフ)付きモデルや、移動時の安全を守るヘルメット付きモデルが選べる点が、実際の避難時に困るポイントをカバーした特徴だと感じました。

▼ 避難所での睡眠や移動時の安全を考慮したセットを見る

【ひかりBOSAI】家族人数別の防災セットを見てみる
💡 「防災士厳選39点セット」との違い:[在宅避難の記事](/posts/a76-zaitaku-hinan/)で取り上げた39点セットは基本アイテムを幅広く揃えたタイプ、ひかりBOSAIは被災経験をもとにした商品設計とヘルメット・寝袋の選択肢が特徴です。中身を見比べて、自分の家庭に合う方を選ぶのがおすすめです。

まとめ:防災リュックは「1人1つ・重さ・中身・ヘルメット」で選ぶ

  • 防災リュックは家族で1つではなく、1人につき1つが基本
  • 重さの目安は成人男性10kg前後、女性・高齢者5kg前後
  • 水・食料は最小限(1〜2日分)でOK。自宅の備蓄は別枠で用意する
  • ヘルメットは見落とされがちだが重要な装備
  • 家族の人数に合わせてセットを選ぶと迷いにくい

正直なところ、我が家はまだ市販の防災セットを買えていません。ただ、10年以上前の非常持出袋を開けたことで、次に何をすればいいかがはっきりしました。

やることの順番は、こうなりました。

  1. 袋の記入欄に住所・氏名・緊急連絡先を書く(1分・0円)
  2. 簡易トイレを買い足す(2〜3回分では話にならない)
  3. 消毒綿・絆創膏など、経年劣化した消耗品を入れ替える
  4. 水と食料を袋の中に入れるか、置き場所を見直す
  5. そのうえで、足りなければセットの購入を検討する

買うより先に、開けることでした。 「一応うちにもある」という方は、まず今日それを出してきてください。家族の人数を数えるのは、その次で間に合います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日やることは1つだけです。押し入れか玄関の収納から、非常持出袋を出してくる。 それだけで、我が家のように「半分足りていなかった」と気づけるかもしれません。

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よくある質問

Q. 防災リュックは家族で1つでいいですか?

A. 1人につき1つが基本です。避難時にはぐれる可能性があるため、それぞれが最低限の備えを持てるようにしておくのが安心です。小さなお子さんの分は大人が代わりに持つなどの調整をしてください。

Q. 防災リュックの重さはどのくらいが目安ですか?

A. 成人男性で10kg前後、女性・高齢者で5kg前後が目安とされています。重すぎると避難の妨げになるため、詰め込みすぎないことが大切です。

Q. リュックにも水・食料をたくさん入れるべきですか?

A. リュックは移動用なので1〜2日分の最小限で十分です。3日〜1週間分の本格的な備蓄は自宅の在宅避難用として別に確保しておくのが現実的です(詳しくは在宅避難の備えをまとめた記事で解説しています)。

Q. ヘルメットは本当に必要ですか?

A. 地震による落下物・倒壊物から頭を守るために重要な装備です。かさばるのが難点ですが、折りたたみ式や帽子型の簡易ヘルメットなら持ち出し袋に収まります。

Q. どのブランドの防災セットを選べばいいですか?

A. 中身の構成やコンセプトで選ぶのがおすすめです。幅広いアイテムを揃えたセットもあれば、被災経験をもとに開発されたブランドもあります。自分の家庭の人数や重視したいポイントに合わせて比較してみてください。


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