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9月1日は防災の日。そして9月は台風シーズンの本番です。
最初に正直にお伝えします。我が家はポータブル電源をまだ持っていません。この記事は「導入してよかった体験談」ではなく、「もし停電になったら」を想定して、必要な容量やバッテリーの種類を徹底的に調べた調査記事です。
停電のニュースを見るたびに、「電気が止まると、情報も冷蔵庫も連絡手段も全部止まる」という不安はあります。5人家族で実際に何が起きるかを想定して計算してみたところ、想像以上に具体的な数字が見えてきたので、まとめておきます。
📋 この記事でわかること
- 停電時に本当に必要な電力の計算方法
- 家族の人数別・ポータブル電源の容量の目安
- 安全性で妥協してはいけないバッテリーの種類
- オール電化の家が停電で本当に困ること(お湯が沸かせません)
- 太陽光の「自立運転」の限界と、停電用コンセントを実際に探して見つけた話
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結論:5人家族なら「1000Wh前後・リン酸鉄リチウム」が目安になりそうです
先に試算結果をまとめます。
| 家族構成 | 推奨容量の目安 | 想定できること |
|---|---|---|
| 1〜2人 | 300〜500Wh | スマホ・照明・小型家電を1〜2日 |
| 3〜4人 | 500〜1000Wh | 上記+冷蔵庫の一時運転・扇風機 |
| 5人以上 | 1000Wh〜 | 上記+電気毛布・調理家電も視野 |
そして容量以上に見落とせないと感じたのが、バッテリーの種類です。
安全性の基準:リン酸鉄リチウム(LiFePO4(リン酸鉄リチウム))を調べてみた
ポータブル電源のバッテリーには大きく2種類あります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 三元系リチウム | 軽量・安価だが、熱安定性が相対的に低いとされる |
| リン酸鉄リチウム(LiFePO4) | 熱安定性が高く、充放電サイクル寿命が長い(3000回以上が目安とされる) |
災害用に「家の中で保管し続ける」機器だからこそ、熱に強く寿命の長いリン酸鉄系が安心という情報が多く見つかりました。サイクル寿命3000回なら、単純計算で毎日使っても8年以上。防災専用にせず普段使いしても持ちそうな計算です。
📌 1分でわかる 調べて分かったこと
- 必要な容量:5人家族が停電で一晩越すなら約820Wh。変換ロスを見て1000Whクラスが目安
- バッテリーの種類:家の中に置きっぱなしにするなら、熱に強く長寿命なリン酸鉄リチウム(LiFePO4)
- 容量(Wh)だけ見てはいけない:家電が動くかは定格出力(W)で決まる。1000Whでも定格600Wならドライヤーは動かない
- オール電化の落とし穴:停電するとお湯が沸かせない。電源より先にカセットコンロ
- 太陽光があっても夜はゼロ:自立運転は日中のみ・最大1500W・手動切り替え。その夜を埋めるのがポータブル電源
- 停電用コンセントは壁側にあった:12年間気づかなかった。正面からは見えない位置なので、スマホのインカメラを差し込んで確認
見落としがちな「定格出力(W)」——容量が足りても家電は動きません
調べていて、ここが一番の落とし穴だと感じました。容量(Wh)と定格出力(W)はまったく別のものです。
- 容量(Wh) = どれだけの量の電気を貯めておけるか(=何時間もつか)
- 定格出力(W) = 一度にどれだけの電気を流せるか(=その家電が動くかどうか)
つまり「容量は十分あるのに、家電が動かない」ということが起こります。主な家電の消費電力はこのくらいです。
| 家電 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| スマホ充電・LED照明 | 5〜20W |
| 扇風機・電気毛布 | 30〜60W |
| 冷蔵庫 | 100〜300W(起動時はさらに大きい) |
| 炊飯器・電子レンジ | 700〜1,300W |
| ドライヤー・電気ケトル | 1,000〜1,500W |
ドライヤーを使いたいなら、定格出力1,200W以上が必要ということになります。
この違いを具体的に見るために、**Dabbsson(ダブソン)**というメーカーの製品を例に借ります。ポータブル電源を専門に扱っているメーカーで、日本法人が公式サイトを持っています。ここを選んだのは、容量(Wh)と定格出力(W)を製品ごとに一覧で公開していて、比べやすかったからです。使ったことがあるわけではないので、あくまで「数字を並べるための材料」としてご覧ください。
実際に公式スペックを並べてみると、この差がはっきり見えました(2026年8月時点の公式サイト表示)。
| 製品 | 容量 | 定格出力 | ドライヤー(1,200W) |
|---|---|---|---|
| 600L | 768Wh | 600W | ✕ 動かない |
| 1000L | 1,008Wh | 1,200W | △ ぎりぎり |
| DBS1000 Pro | 1,024Wh | 2,000W | ○ 余裕 |
| DBS1300 | 1,330Wh | 1,200W | △ ぎりぎり |
| DBS2300 Plus | 2,330Wh | 2,200W | ○ 余裕 |
600Lは768Whの容量がありますが、定格出力が600Wなのでドライヤーは動きません。 逆に1000LとDBS1000 Proは容量がほぼ同じ(1,008Whと1,024Wh)なのに、定格出力は1,200Wと2,000Wで大きく違います。「容量が同じだから同じ性能」ではないわけですね。
我が家の試算(約820Wh)は容量の話なので、それとは別に「何を動かしたいか」から定格出力も決める必要がありそうです。
このメーカーを例にしたもう一つの理由が、公式が「半固体リン酸鉄リチウムイオン電池」とバッテリーの種類を明記していることです。前の章で書いたとおり、家の中に置きっぱなしにする機器では、ここが安全性と寿命に直結します。種類をはっきり書いていないメーカーは、そもそも比較の土俵に乗せられません。
停電時に何を動かすか:必要電力を計算してみた
「なんとなく大きいのを買う」のではなく、我が家の必需品で計算してみました。
| 家電 | 消費電力の目安 | 8時間動かすのに必要なWh |
|---|---|---|
| スマホ充電(5台) | 計75W(1回分) | 約100Wh |
| LEDランタン×2 | 10W | 80Wh |
| 冷蔵庫(間欠運転) | 平均50W | 400Wh |
| 扇風機 | 30W | 240Wh |
合計:約820Wh。 これが5人家族の「一晩を安心して過ごす」ラインという計算になりました。1000Whクラスが目安とされる理由が、この計算で腑に落ちました(変換ロスがあるため、公称容量の8割程度で見積もるのが安全とされています)。
💡 冬の停電は電気毛布(50W前後)が命綱になるという情報が多くありました。エアコンや電気ストーブは消費電力が大きすぎるため、ポータブル電源での運用は現実的ではないようです。
我が家はオール電化+太陽光。それでも必要かを考えました
ここからは、他のブログではあまり書かれていない話をします。我が家はオール電化で、屋根に太陽光パネルが載っています。
この条件だと、停電時の事情がかなり変わります。良い方向にも、悪い方向にも。
悪いほう:オール電化の停電は、ガス併用の家より不便です
まずここを直視しないといけません。オール電化の家にはガスコンロがありません。つまり停電すると、
- IHが使えない=お湯が沸かせない
- エコキュートが止まる=シャワーも使えない
- 調理手段が丸ごと消える
ガス併用の家なら、停電してもガスコンロは使えます(電池で点火するタイプなら)。カップ麺にお湯を注ぐことも、赤ちゃんのミルクを作ることもできる。オール電化の家はそれができません。
我が家の備えとして、まず必要なのはポータブル電源よりカセットコンロとカセットボンベだ、というのが調べてみた結論でした。1,500Wの電気ケトルをポータブル電源で動かすのは容量的に厳しく、お湯を沸かすなら火のほうが圧倒的に効率がいいからです。
一方で、オール電化には停電時に効く点もあります。エコキュートのタンクには数百リットルの水が貯まっているため、非常用取水栓から生活用水として取り出せる機種が多いようです。飲用にはできませんが、トイレを流す水としては大きい。取り出し方は機種によって違うので、停電してから説明書を探すことにならないよう、今のうちに確認しておくのがよさそうです。
良いほう:太陽光があれば、日中は電気が使えます
太陽光発電には「自立運転モード」という機能があります。
まず前提として、太陽光発電は停電すると自動で止まります。 発電した電気が送電線に流れ込むと、復旧作業をしている人が感電する危険があるからです。「屋根で発電しているのに家では使えない」というのは、この仕組みによるものです。
そこで用意されているのが自立運転モードです。手動で切り替えると、送電網から切り離したうえで、パネルが発電している間だけ専用のコンセントから電気を取り出せます。 このコンセントは、パワーコンディショナー本体か分電盤の近くにあることが多いようです。
ただし、期待しすぎないための条件が3つあります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 日中だけ | 発電しないと使えないので、夜間と雨天は動きません |
| 最大1500Wまで | 我が家のパワコンにも「最大供給可能電力 1500W」と明記されていました |
| 手動操作が必要 | 自動では切り替わりません。パワコンを自立運転モードに切り替え、専用の停電用コンセントから使います |
つまり太陽光があっても、夜はまったく電気がありません。ここが一番の落とし穴だと思います。
そして、我が家の恥ずかしい話
この記事を書きながら気づいて、正直ちょっと青くなったことがあります。
我が家は12年間太陽光を載せていて、「自立運転」という機能があること自体をちゃんと分かっていませんでした。
「太陽光があるから停電でも何とかなるだろう」——そう思い込んでいただけで、何がどう動くのかを一度も確認していなかったのです。書きながら調べて、初めて「手動で切り替える必要がある」「専用のコンセントから取る」という仕組みを知りました。
さらに正直に書くと、我が家のパワーコンディショナーのモニターは一時期故障していて、発電量を確認できない期間がありました(今は復活しています)。設備が動いているかどうかにすら無関心だった時期があった、ということです。
そこで今回、実際にパワコンを見に行って、停電用コンセントを探してみました。
実際に探してみたら、12年間気づかなかった場所にありました
そこで、この記事を書きながら実際にパワーコンディショナーを見に行きました。我が家の機種はソーラーフロンティアのKP55K2-SS、設置は2014年です。
まず本体の正面。ここには「連系」「自立」という2つの表示があり、普段は「連系」が点いています。これが送電網とつながっている通常の状態で、停電時に切り替える先が「自立」です。表示があること自体、今回初めてちゃんと見ました。
我が家のパワコン正面。左端の「連系/自立」が運転状態の表示。このときは0.49kW発電中でした
問題は停電用コンセントでした。結論から書くと、本体の側面、それも壁を向いている面にありました。
つまり、正面に立っているだけでは絶対に見えません。 12年間気づかなかったのも当然で、意識して覗き込まないと存在すら分からない位置です。
しかも壁との隙間が狭くて、顔を入れて直接見ることができませんでした。そこでスマートフォンのインカメラ(自撮り側)を隙間に差し込み、画面を見ながら撮影して確認しました。これが一番手っ取り早かったです。
実際に撮れたのがこの写真です。**インカメラを隙間に差し込んで撮っているので、お世辞にもきれいではありません。**ただ、書いてあることは読み取れました。
壁側の側面にある停電用コンセント。正面に立っているだけでは見えません
コンセントの横のラベルには、こう書かれていました。
停電用コンセント 最大供給可能電力 1500W(天候により供給電力は変化します。) ※使用時は取扱説明書をお読みください ⚠️ 警告:機器を接続したままにしない。火災や停電の原因となる恐れがあります。
「最大1500W」はメーカーが本体に明記している数字でした。調べて出てきた情報のとおりです。そして「天候により供給電力は変化します」という但し書きも重要で、曇っていれば1500Wは出ません。
もうひとつ見落としがちなのが警告のほうです。「機器を接続したままにしない」——普段から何かを挿しっぱなしにしておくのは危険、ということですね。
やってみて分かったこと
設備があることと、使えることは別の話でした。我が家は12年間、「太陽光があるから停電でも何とかなる」と思い込んだまま、コンセントの場所すら知らずに過ごしていたわけです。
太陽光を載せているお宅は、今日この記事を閉じたあとに、パワコンの側面を覗き込んでみてください。 5分で終わります。壁側で見えなければ、スマホのインカメラを差し込んで撮ればすぐ確認できます。
結論:太陽光がある家でも、ポータブル電源の役割はある
整理すると、こうなります。
| 時間帯 | 太陽光(自立運転) | ポータブル電源 |
|---|---|---|
| 日中・晴れ | ○ 最大1500W | 太陽光から充電できる |
| 日中・雨 | △ 発電量が落ちる | 主戦力 |
| 夜間 | ✕ 使えない | これしかない |
太陽光の弱点である「夜」を埋めるのがポータブル電源、という位置づけになります。逆に言えば、日中は太陽光から充電できるので、太陽光がある家は容量を使い切っても回復できるという強みがあります。太陽光がない家より、むしろ相性はいい組み合わせです。
前述の試算では一晩で約820Whでしたが、太陽光がある家なら「夜を1回越えられればいい」と割り切れるぶん、必要以上に大容量を狙わなくてもよさそうだ、というのが我が家の今の考えです。
電源だけでは足りない:防災セットとの二段構え
停電対策はポータブル電源で前進しますが、断水・避難には別の備えが必要です。「何から揃えればいいか分からない」場合は、防災士監修などの入門セットから検討するのも一つの方法です。
「電源(停電対策)+持ち出しセット(避難対策)」の二段構えで、災害への備えは形になりそうです。
「防災専用」にしないのが元を取るコツ、という情報も
数万円の買い物を防災専用で寝かせておくのはもったいない、という声も多く見かけました。よく紹介されている普段使いの例は次のとおりです。
- 庭・ベランダでのホットプレート(家族イベント化)
- 車中泊・キャンプの電源
- 電気代の高い時間帯に充電した電力を使う「ピークシフト」
普段から使う想定にしておけば、「いざというとき使い方がわからない」「バッテリーが空だった」という防災グッズあるあるも防げそうです。
💡 数万円の防災費用を、どこから出すか
1000Whクラスは数万円〜10万円台の買い物になります。我が家は固定費の見直しで年約95万円を削りましたが、そのうちサブスクと不要な年会費の整理だけで年約8万円でした。使っていない契約を止めるだけで、ポータブル電源1台分の予算は出てきます。
👉 月10万円の固定費を断捨離した40代のリアル|やめてよかった全リストを読むまとめ:防災の日を「知る」「計算する」きっかけの日に
- 5人家族の停電一晩は試算で約820Wh。1000Whクラスが目安になりそう
- バッテリーは熱に強く長寿命なリン酸鉄リチウムが安心という情報が多い
- 容量(Wh)と定格出力(W)は別物。 ドライヤーを使うなら定格1,200W以上が必要
- オール電化の家はお湯が沸かせなくなる。 ポータブル電源より先にカセットコンロ
- 太陽光があっても夜はゼロ。 自立運転は日中・最大1500W・手動切り替え
- 停電用コンセントは本体の壁側にあった。 12年間気づかず。正面からは見えないので覗き込んで確認を
- 太陽光がある家は日中に充電できるので、むしろ相性はいい
- 電源+防災セットの二段構えで停電・避難の両方に備えられそう
- 普段使いできる想定にしておくのが「使える状態」を保つコツ
台風情報が出てから注文しても、届くのは停電の後、というのはよく聞く話です。在庫と配送が正常な「平時」こそ、調べて備える価値がありそうです。
そして買い物より先に、お金のかからない確認が2つあります。太陽光の停電用コンセントの位置と、エコキュートの非常用取水栓の使い方。
前者は今回やってみました。壁側の見えない位置にあって、12年間気づいていませんでした。(スマホのインカメラを隙間に差し込めば5分で確認できます)。後者はこれからです。どちらもお金は1円もかかりません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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